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Posted by おてもやん at

2020年01月25日

タンクマに捧げるバラード~熊本県民に人生を教えてくれた雑誌~

 金が無かった若いころ、足繁く通ったラーメン屋がある。大人になってからは足が遠のいて行かなくなってしまったけど、味や店の雰囲気、店主のオヤジの不愛想さは今でもなんとなく心に残っている。間違いなく僕の青春の1ページだ。
 でも昨日たまたまそのラーメン屋の前を通りかかったら、入口に張り紙があった。
「閉店しました」
 身体の何分の1かをいきなり失ってしまったような衝撃に、僕は呆然とその場に佇むしかなかった。

例えるならばそんな感じかな。
「タウン情報クマモト」(タンクマ)休刊。

tankuma
「タンクマ」が休刊 創刊40年、来月の3月号で(1/25熊本日日新聞)


 本当に驚いた。
 このご時世、地域の“食う寝る遊ぶ”の情報で商売を続けることが相当厳しいことは想像に難くない。だってみんなネットだもん。子曰く、タダほど安いものはなし。
 そんな時代に抗い、無料では得られない「価値」を模索し続けたタンクマスタッフの皆様には、書店員として頭が上がらない。
 そりゃ僕の心情としては「休刊ってそりゃないよ、タンクマさん。もっと一緒にやろうよ」って気持ちはある。地元タウン誌にしかできないことはまだまだたくさんあるから。でも、雑誌の収益構造というリアルな部分から考えると、想いだけではどうにもならないのだろう。
 
 タンクマさんとまるぶんは地元出版社・地元書店としてお付き合いも深かった。
 何度もまるぶんを紹介してもらった。
 何度もタンクマフェアをやらせてもらった。
 九州新幹線全面開通のときはものすごくデカい看板を作成してもらい大々的にPR。
 店のカッパ像にスタッフさん手作りのウエディングドレスを着させてもらった。
 熊本地震の直後、まるぶんが店を開けられずにいるとき、タンクマの「元気です、熊本」号の表紙にまるぶんの看板を入れてもらった(ついでに僕も表紙に混ぜていただいた。ホントに元気になりました)。
 ラーメン特集のデモ販売のとき、スタッフさんが頑張りすぎて周囲のお店から怒られたのは内緒の話だ。
 エピソードを挙げればキリがない。まるぶんは、タンクマともに歩んできたんだなあ。

 また突然の休刊にSNSも大騒ぎ。
 多くの人が驚きとともに、自身のタンクマにまつわるエピソードを懐かしそうに投稿していた。そんな「みんなの青春の1ページ」で溢れたタイムラインは、何ともいえない温かさに包まれていた。
 コレだよ、ネットでは得られない「価値」とは。
 だって創刊40年だよ。どれだけの熊本民がタンクマのお世話になってきたことか。僕らはきっと、恋した分だけ、遊んだ分だけ、楽しんだ分だけ、“熊本の情報“という無数の「タンクマ砲」を浴びて生きてきたのだ。

そういえば冒頭で書いたラーメン屋、あそこもタンクマで見つけたんだっけ。 
サンキュー、タンクマ。
僕の青春をありがとう。
とりあえずあと2号、楽しみにしてます。  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 16:00Comments(0)出版界を思う

2016年10月28日

金龍堂まるぶん店営業再開のご案内

熊本地震本震の一週間後、
4月23日に私は店の前にあるシャッターに
「まるぶん店営業休止のご案内」を貼りました。

当時はまだ、いつ頃再開できそうかなどの見通しはまったく立たない状況でした。

でも私は「必ず再開するぞ!」という自分の決意をお客様に伝えたかったのです。

未来が闇にしか見えなくても、お客様とお約束をするというカタチで光を求めました。

そうやって私は、少しでもいいから前に進みたかったのでしょう。


それから約7ヶ月、やっとお約束を果たすことができます。

金龍堂まるぶん店は
11月18日(金)朝10:00より
営業を再開することになりました。

多くの励ましやご声援、
再開を望むお言葉、
本当に本当にありがとうございました。

4月15日から11月17日まで、空白期間は217日に及びます。
あまりにも長いブランクは、まるぶんから色々なものを消しました。

まるで、ピースがたくさん欠けたパズルみたいです。

喜びや期待は膨らんでいるけど、不安もいっぱい抱えての再スタート。

休業中にぽっかり空いたスペースは、決して小さくはありませんが、これから地道に、地味に、埋めていこうと思っています。


217個の失くしたピース。
それを埋める長くて大きなパズルが11/18からはじまります。

ぜひ「新生まるぶんに」ご来店ください。

従業員一同、キリンくらいに首を長くしてお待ちしております。

あ、そうそう、もちろんカッパさんも一緒に待ってますからね。


そしてまるぶんはいつまでも、お客様に寄り添う“普通の本屋“であり続けます。

末永くよろしくお願いいたします。
  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 22:32Comments(1)ご挨拶

2016年09月23日

カッパ像と中日ドラゴンズ

まるぶんのシンボルにして上通の守り神・カッパ像。



かつてはくまモンをライバル視して
『ゆるキャラGP』にエントリーしようと試みたり、
「渋谷のハチ公や上野の西郷さんより待ち合わせられたい!」
などと考えたのか、「自分は犬だ」と口走る。

正面から見ると怖い顔をしているが、そんな愉快なカッパさんである。

「なんで本屋にカッパがいるんですか」

まるぶんの従業員が最も尋ねられる質問がコレだ。
延べ100万回は聞かれているに違いない。
(ちなみに2位は「新聞に載ってたアレはありますか?」)

その答えをイキナリ言うと、
「1970年当時、上通アーケードでは小火騒ぎが相次いでいた。
そこで当時のまるぶん社長が『水を呼ぶ神さま』として
カッパさんを招致したのであった」

である。

しかしこれは本当なのだろうか?
小火騒ぎなんてホントにあったのか?
もしあったからってどうして本屋に像を置く必要がある?

ひょっとして「カッパ=火除けの神」説は
「義経=チンギス・ハン」説や「三上博史=○モ説」のような伝説なのかもしれない。

確認しようにも、会社に当時を知る者は一人もいないし、
記憶をたどりようにも、その頃僕はまだ生まれていない。

金龍堂のHPを覗いても、そんなことは全く書いてない。
上通りカッパの想い(金龍堂HP)

↑にはただ「気に入ったから買った」くらいのニュアンスだが…
さて、カッパ招致の真相はいかに。


その答えは意外なモノが教えてくれた。
中日ドラゴンズである。
は!?
多くの方が首をかしげるだろう。
名古屋のプロ野球チームと熊本の本屋。
どうみても無関係に思えるが、謎の解答は「ニックネーム命名」にあった。

中日ドラゴンズは、なぜ「ドラゴンズ」と名づけたのか?
球団史によると、当時の中部新聞社社長の干支が辰年だっとことから、これにちなんで「ドラゴンズ」とつけたとある。
しかしこれは100%の解答ではない。

球団はあくまで「ドラゴンズ」が強そうな名で、ニックネームにふさわしかったから名づけたのである。
社長の干支が辰だったのは偶然というか、副次的な理由に過ぎない。
だってもし干支からとったのであれば、仮に社長が子年生まれなら「中日マウス」と名づられていたのだ。
そんな弱そうな名前、プロ野球チームにつけるはずがない。

これが井沢元彦氏が『逆説の日本史』で唱えた「中日ドラゴンズの論理」である。

カッパもこれと同じなのだ。

当時、小火騒ぎが多発したのはおそらく事実だろう。
しかしそれだけでカッパを本屋に置く必然性はない。

カッパ伝説の裏側には、
「当時の社長が新規店舗のランドマークとしてインパクトのあるモノを探していた」
「カッパ像を気に入った」
という当たり前すぎる事実が隠れている。

「当たり前のことは、誰もあえて口に出さない」

この先の人生、それを見落とさないように心がけたい。

で、結局どうなんだ。
なんで本屋カッパがいるんだ。

それに対する100%の正解は、
ま、いろいろあって…
である。

その「いろいろ」の一つとして、
カッパ=水の神説は今日明日も語られる。




最後に一言。
もうすぐ、カッパは皆様に会えます。



  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 17:49Comments(1)今日のカッパさん。

2016年09月13日

再来年の大河は菊池源吾。

 友人に、定食屋などに食べに行くと決まって「今日のおすすめ」「一番人気」などと書かれた、いわゆる定番メニューを頼む人がいる。
 彼に言わせると、「とにかく失敗したくない、だから決して冒険しない」そうだ。人生の何分の一かを損しているように思えるが、それが彼の生き方だそうだ。
 先日彼と久しぶりに昼飯を食べに行ったが、彼が頼んだのはやはり「てりやきマックバーガー」だ。フィレオフィッシュを頼む僕を、彼は半ば蔑みの表情で見つめる。そんな彼とハンバーガーを食べながら、僕は再来年の大河ドラマに決まった『西郷どん』を思い出した。




「ここで菊地源吾かよ!」僕は思わずスマホの画面にツっこんだ。
西郷さんは正直いって1990年の大河『翔ぶが如く』でやりきった感がある。それにココんとこの大河は2年に一度のペースで幕末が舞台だ。ったく、ケータイの契約かよ!このビエンナーレめ!
NHKも冒険してないな。
そりゃ、あれだけ毎週毎週視聴率がニュースになるから、気になるのもわかるけど、そこは国営放送、数字を意識しない番組を作ってほしいものだ。

2001年に放送された大河ドラマ『北条時宗』。
これが中盤以降とにかくスゴイ展開で、中国語がペラペラの鎌倉御家人がいるわ(渡部篤郎)、幕末並み開国論を唱える鎌倉御家人がいるわ(渡部篤郎)、大嵐に逢う蒙古軍を助けるために博多に上陸させようとる人がいるわ(渡部篤郎)といるわいるわ。終いには北条得宗家の主である北条時宗が民主主義に目覚めるなど、何ともブッ跳んだ大河ドラマだった。
それでも僕は最後まで観た。なぜ観たかって、一番の理由は『時宗』が過去の大河にはない時代やテーマを扱った大河ドラマだからである。元寇で一年間引っ張るというNHKの冒険心に僕は惹かれてしまったのだ。いまのNHKにそれができるだろうか?
いつもてりやきバーガーじゃ飽きちゃうよ。たまにはフィレオフィッシュやカルビマックを食べたくなるが人情さ。冒頭の僕の友人はちょっと違うけど。

まあ決まったものはしょうがない。『西郷どん』には今までの定説を打ち破る西郷像や幕末像を築いた、後世に残る大河ドラマとなってほしい。
「今年のてりやき、ソースがいつもと違ってうまいじゃん」なんて言いたいものである。


とかなんとか言いつつ、おそらく物語のクライマックスとなるであろう、熊本城攻防戦が今から楽しみでしかたがない僕である。

予習にはもちろんコレ『翔ぶが如く』がおすすめ!


  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 16:20Comments(0)ドラマ・映画の感想

2016年09月12日

まるぶんへの応援メッセージ【抜粋】



熊本地震発生以来、ずっと休業中のまるぶん。
その間、たくさんのご声援と励ましのお言葉をいただきました。


・スタッフ皆さんの笑顔に早く会えますように
・北九州から来ました。カッパさんに会えなくて残念。復活待ってます!がまだせ!
・がんばって下さい!ファイトです!いつまでも待ってます!
・カッパさん!!元気ですかー??
・一日も早い再開を願っています
・みなさんごぶじで何より!!復活待ってます。
・宮崎から来ました。また来ます!ガンバレー!
・早くカッパさんに会えますように!
・頑張れまるぶん!
・本当に早く復活してください
・再開待っとるよー
・今日の新聞カッパさん元気うれしい!
・がんばってください!!またジャンプ買いに来ます。
・営業再開!お会いできることお待ちしてます
・カッパ見たいです。
・早い復活気張れ!!
・カッパ…まってる…。
・早く会いたいよ!!早くお店が開くといいな!
・熊本の本好きがみんなで待ってます。
・光が消えたみたい。一日も早い再開を願っています。
・10月11月…open!!いつまでも待ってます!
・また営業したら来ますね!!
・まるぶんの皆さんを愛してます!営業したら必ずきます!
・学生時代いつもお世話になりました。次はきっとお会いできますように!
・小学校時代から利用させてもらっています。まっています。楽しみにしています。
・東京から来ました。早く復活して本が買いたいです!
・少しずつ、ゆっくり、ともに回復していきましょう!
・学生時代お世話になりました。応援しています。
・再開できるの待ってます!
・福岡からです。次はカッパに会えますように。
・まってます!
・応援しています!!
・早期再開願っています。本は心の泉。
・早く再開できるように願ってます
・「たくさんのふしぎ」届くのを待っています。応援してます!
・あかせさん再会できますことを楽しみにしています
・頑張れよ!まるぶん!!
・今日も来たけど残念!8月も来るからガンバッテネ
・8/7来ました。残念
・9月来たよ!大変なのネー ガーンガーンガンバレ!!
・久しぶりに訪ねた熊本!高校・大学とまるぶんにはずい分通いました。
・今日もあると思って寄りました。早い復活を!カッパに又会いに来ます。
・学生の頃からお世話になっています。再開をお待ちしています。
・学生の頃からお世話になっています。今は東大阪から応援しています!ガンバレ!
・まるぶんさん、いつまでも開店するのをまっとるばい
・福岡から応援してます!
・頑張れカッパさん!再会を楽しみにしています。
・がんばれ!!元フラワーショップあきの店員より
・まるぶんのない上通りなんてありえない!再会を祈ります!
・本をまたよみたいです。
・早くカッパに再会できますよーに!
・頑張れ店長!何度でも何度でも君は生まれ変わっていける
・こどもの頃から親しんでいた。東京から来たよ
・まるぶんの本大~好き!
・みんなではたらけますように
・まるぶんの再開待ってるよー♪
・まるぶん空くの待ってます
・早く本買いたいよ~ファイトです!
・がんばってください!またカッパさんに会える日を!
・埼玉から会いにきたよ!今度はカッパさんに会えるよう楽しみにしてます
・お願い!待ってますヨ
・熊本でアニメが好きな人なら足を向けて寝られない金龍堂まるぶんさん。被災後、シャッターにお知らせが貼られていたんだけど、そこに書き足された応援メッセージが暖かかった。7月に見た時よりさらに増えてる。10月の再開を目標にされているという事で陰ながら応援したい。
・まるぶん書店のシャッターが開いてた。まだまだって感じやけど、とりあえず良かった。泣きそうになったよ
・まるぶん書店さんの工事が始まったのでしょうか。久しぶりにカッパのご尊顔を拝見!嬉しいです。
・地震被害で営業休止中の上通りの金龍堂まるぶん書店。閉まったシャッターに営業休止の貼り紙とその周りにお客さんの再開を望む寄せ書き、折り鶴がテープで留められてた。 カッパの本屋さんが慕われてるのが分かった。
・震災から、ずっと閉店したままの、地元人なら、一回はいったことのある、本の老舗(まるぶん)一日も早い復活を祈ってるよ。ずっとお世話になってきた大好きなお店。
・店頭の貼り紙を見れば本なんてネットで買えればいいっていうのは違うんだよなぁーと思う。
・どうか「まるぶん書店」さんが復活してくれますように…。
・上通り、まるぶん書店さんへの応援メッセージを読んで目頭まで暑くなってる34℃の夏。
・まるぶんさんも(あのカッパは)市民が慣れ親しんだ光景、折り鶴までささげられる本屋さんってすごいですよね(^^)
・まるぶん堂応援されてる…!たとえ建物が無くなったとしても、街のみんなの記憶にある限りはまるぶん堂は「ある」んやな。熊本城と一緒だな。大事なのは出来事の価値で、建築はあと。
・まるぶんの河童像が復活することを願う。
・かっぱのまるぶんさんの復活、ずっとまってます。ほんと気長にまってますから
・昔、まるぶん書店でお世話になった事もあります。復活祈ります!
・まるぶん復活への願いの寄せ書き。泣けてくるねこういうの。
・まるぶん書店が再開できなくて…上通り通ったら、復活願う声がシャッターに貼ってあった。かっぱのまるぶん書店早く復活してほしい!!!
・熊本・上通のまるぶんは、私にとって本との出会いの場だった。私の青春の書と言っても過言ではない「キャプテン・フューチャー」は、大半ここで買い揃えた。今だから言うが、エロ本との出会いもここだった(笑)
・小学校高学年~中学にかけて英会話教室に通ってた関係で、ずっと入り浸ってた本屋なので、思い入れもひとしお。何とか復活して欲しいです。
・熊本地震支援として、e-honで金龍堂まるぶん店をマイ書店として登録、注文は宅配にすれば売上は金龍堂に落ちるとのこと。これでまた購入。
・上通りにある、金龍堂まるぶん書店の営業再開はまだまだ先だなあ。かっぱさんが無事だったのは良かったけど、よっぽど店内の損傷がひどかったのかなあ。少しでも早く再開出来ますように。
・上通りのまるぶんが休止中だったとは…。昔店頭にあった交流ノートを利用した事があり、それによって友人になった人も居るので、この様な状態になっていたというのはなかなかショックです。中心部も未だ地震の傷は大きいですか…再開を祈っております。
・えっ まるぶんも休業してるのか…ほんと先生とよく行ってたお店だしつらい
・アーケードの商店街にある金龍堂まるぶん店は地震の後、休業が続いている。シャッターにはメッセージが寄せられていた。熊本の方々の書店を大切にする思いが伝わってきて胸が熱くなる。次回はまるぶんでも本を買いたい。
・昨日初めて新しくなったツタヤ書店に行ったけど、場違いな感じがして落ち着かないので早々に退散。普通の本屋がなくなったね。まるぶん早く開かんかなー。
・上通りの本屋といえば、まるぶん。カッパがいるので有名ですが、震災後から閉まっています。1日も早く復興出来ますように…
・昨日熊本に行き金龍堂まるぶん店さんにも伺いました。シャッターのメッセージ本当に胸が熱くなります。通りがかりの女性に「また開くわよね。大丈夫よね」と声をかけられ「絶対大丈夫です!」となぜか私がお答えしちゃいました。
・熊本の商店街はほとんどは再開しているけど、まるぶんという本屋さんは再開できておらず、シャッターにお詫びのビラが貼ってあるのだが、ビラに再開を待つ人々の激励の言葉がたくさん書いてあって、まるぶんの方々にとって超嬉しいことだろうなと思います。いいですね。
・まるぶんのカッパの愛され具合に涙。
・まるぶんさん復帰をいまかいまかと待っている地元民です
・昔街を通る度に親からまるぶんの河童に挨拶されられてたのなんだったんだ。でもおかげで本好きに育ちました
・昨日カッパ像は元気かな?とお店の前に立って、はじめて貼り紙に気づきました。お店のみなさんはお元気ですか?本好きは永遠に本好き。「さいかい」の日をゆっくりと待ちます。
・またのんびりと本を選びに行ける日を楽しみに待っています。上通りのかっぱさんは、熊本のシンボルです!
・ビデオにも出ていただいた河童様 青春時代からお世話になったまるぶんさん 力強い決意表明ありがたかーー また熊本帰ったときは買い物に挨拶にぴらーっとまいります おるも静岡でがまだーす!
・カッパ様もお元気でよかったです!復旧したら行きますね
・カッパさま、がんばったんですね。再開したら飛んでいきます!
・かっぱさま無事だったんですねー!やっぱり、上通りにはカッパ様必要です!!また、元気にお会いしましょ
・定期購読している雑誌も読みたいですし、読みたい新刊もたくさんありますが、Ama◯◯◯は死んでも利用しませんよー。再開したらたくさん注文しますので覚悟しておいて下さい笑

シャッター張り紙への書き込み、twitter、Facebook、ブログへのコメントなどから抜粋いたしました。

本当にありがとう!!!!!
1日も早く再開できるよう頑張ります!


心配するな、泣いてないから(涙)  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 09:08Comments(0)まるぶん日記

2016年09月05日

熊本百景 三 『こち亀』のある景色

『こち亀』が終わる。


こち亀週刊連載終了に寄せて 秋本治先生のコメント


まるぶんが休業して以後も出版業界では様々な動きがあったが、おそらくこれ以上の衝撃はないだろう。

連載40年。僕の書店員キャリアどころか、人生とほぼ同じ長さの週刊連載。
しかも40年間一度も休載がないという衣笠祥雄もびっくりの鉄人ぶり。
それをいわゆる”1話完結”タイプで続けてきたことは、巷で考えられているよりずっとずっと驚異的なのだと思う。
『ドラゴンボール』のセル編とか『ワンピース』の空島編を丸ごと毎週毎週描き上げている、と想像すると分かりやすい(ちょっと違うか...)。

主人公の両さんは、連載開始当初からずっと35歳。
「なんだこのメチャクチャな面白いオッさんは」と僕は小学校の頃から読んでいたが、気づくと僕は両さんよりも年上になっていた。
僕は両さんのような人生はもちろん歩めず、ごく普通に生きてきた。
しかし両さんと比べてしまうと、かなり何万分の1しか人生の楽しさを知らない。
それももったいない人生かもしれないな。

ちなみに僕が特に好きなエピソードは両さんの長崎旅行(35巻くらいだったかな)。
旅行中一文無しになってしまた両さんと本田(バイクの人)はとある老夫婦宅を訪ね、「親戚だ」と嘘をついて泊めてもらう。
疑うそぶりもなく快くもてなしてくれた夫婦に対し、良心の呵責に耐えられなくなった本田は翌朝、本当ことを伝える。
が、その夫婦はこう答えた…(結末はぜひご一読を)

正直言って最近は『こち亀』をあまり読んでいない。
まるぶんも震災前は185巻くらいからしか置いてなかった。
だから「こういう時だけ注目するな!」と両さんに怒られてしまうもの無理はない。

ただ『こち亀』があるという日常がそこにあったから、僕らは安心していた。
子どもの頃学校で怒られたりケンカしたりしたときも、家に帰ると決まって母はエプロンを着て夕ご飯を作っていた。
その日常の連続性に、人は安心するのである。
つまり『こち亀』はママのエプロンなのだ。
僕がジャンプを毎週買っていた頃から未だに連載が続いているのはもちろん『こち亀』だけ。
たまにジャンプの表紙に両さんが出ていると、子どもの頃を思い出してほっこりな気分になったものだ。
それがもうなくなってしまう。

悔いが残るのは、長年の恩返しに「ありがとう両さん!『こち亀』全巻フェア」をやりたくても、やる店がいまはないこと。
まるぶんが再開したら、何らかの形で感謝の気持ちを表したいと思う。


最後に一言だけ忠告を。
両さん、最終回までに結婚しろよ!僕はしたぞ。  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 18:04Comments(0)熊本百景

2016年06月30日

熊本百景 二 国府の焼き土下座

書店員になって10数年、とにかくたくさん叱られた。
上司からの叱咤や非難を浴びまくる日々。
よく泣かなかったね。と当時の自分を褒めてあげたい。

もちろんお客様からもよく怒られた。
いや、クレームじゃないよ。
多くは明らかな僕のミスだったり、僕の手落ちだったり、僕の失敗だったりした。
30過ぎてから小学生の女の子に
「ちゃんとしてください!」と怒られたのは辛かった。

「土下座しろ!」も結構あった。
いまでは絶対タブーの土下座強要も、10年くらい前までは一種の手打ちとしての切り札的存在だった。
SNS以前には「とにかく頭を下げれば済む」そんな文化が存在したのだ。もちろんそれがが正しい文化だとは思わないが。

一度だけ言われたのが、
「焼き土下座しろ!」だ。

焼き土下座?
カ、カイジのアレですか?
(『賭博黙示録カイジ』参照)

もう土下座程度では冷ますことができないほどの怒りを覚えた目の前の紳士。顔は炎のように紅潮している。
土下座以上の謝意を示すモノとして紳士の脳裏にとっさに浮かんだ「焼き土下座」。おそらく紳士は興奮のあまり、思わずそれを口に出してしまったのだろう。

しかしアツアツの鉄板に10秒以上頭を擦り付けられる自信が僕にあろうはずもなく、
「それだけはご勘弁を…」と深々と頭を下げて懇願した。

すると紳士は「君の誠意はわかった」と言い残し、足早に店から去っていった。

紳士はなぜ急に立ち去っただろう。
言い過ぎたと思い、ばつが悪くなったのか。
それとも「本当にすまないという気持ちで胸がいっぱいなら、どこであれ土下座ができる」というポリシーを本当に持っていたのか。
いまとなってはもうわからない。

その時紳士が何に怒っていたのか、それももうわからない。

そして当時国府にあったその書店は、いまはもうない。


  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 10:48Comments(0)熊本百景

2016年06月29日

近況 ー2016年6月29日ー

熊本地震:カッパ像の書店、営業再開へ 熊本

6/28の毎日新聞さんに近況記事が掲載されました。
記事の通り、まるぶんは現在10月営業再開を目指して動いています。

震災から約2か月半が経過したいまも営業ができない。
建物やらなんやらに様々な不具合が露見し、復旧がなかなか進まない。
そんな現実の前に僕は毎日やるせなく、情けない思いを抱いています。

しかし中途半端の状況で営業再開してお客様に迷惑をかけることがあってはならない。
ましてお客様の危険を及ぼすようなことになったら…と思い、
ギュッと拳を握りしめて気持ちを抑える日々です。

10月再開と決まったわけではありません。
まだまだ詳細は未定で、もろもろの進行具合によっては遅れる可能性もあります。

ただ、このニュースを出せたことで、再開という目標がグッと近く見え、
目の前がみるみる明るくなりました。

あえて言います。
「本」などという、食べられもせず、生活必需品でもないものを売っている
本屋の再開を望まれる声がこれほど大きいとは。
本当に驚いています。
そして嬉しく思ってます!

本は生活必需品ではないのだろうけど、
生きるためになくてはならない「生きる必需品」なんだな、と思い知らされた次第です。

皆様の声、しっかり届いていますよ。
ありがとうございます。

それではこの秋、お会いしましょう。




  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 10:12Comments(0)まるぶん日記

2016年06月24日

熊本百景 一 本荘マンションの雨

熊本百景 -本と僕と熊本の100コ-

本荘のマンションに10年住んでいた。築30ウン年、6畳一間のユニットバス。

大学病院が目の前にあるので、年中、昼夜を問わず救急車のサイレンに驚かされた。
ベランダに寄りつく鳩にも悩まされた。昼夜を問わず糞をされた。
ペットボトルを見ると去っていくだとか、CDの円盤が苦手だとか、何だとか。
掴んだ鳩撃退情報はなんでも試したが、その度に奴らは逞しくなって帰ってきた。

雨漏りにも悩まされた。
いや、アノ部屋の場合、”雨染み上がり”というべきか。
長雨が降ると、畳が水に染まっていくのだ。

ある夜中、なんだか背中や尻が冷たくて目が覚めた。
まさか、オネショ・・・?と一瞬疑ったが、ぐちょぐちょになった敷布団を見て「そんなに水飲んでないし」と我に返った。
いや、外から聞こえる豪雨の音に「コリャ雨漏りだ」と我に返った。
起きると、6畳の部屋半分が水浸しになっていた。家具や衣類、いろんなものが濡れた。

一番困ったのは、その夜読みながら寝てしまい、枕元に置いていた村上春樹の『ノルウェーの森』下巻である。
文庫本は水をたっぷり含み、3倍くらいの厚さになっていた。濡れた紙はピッタリ貼りつき、全く開かない。
もう読めないじゃないか。どこまで読んだのかもわからない。

「『グレート・ギャツビィ』を3回読む男なら俺と友だちになれる」は『ノルウェーの森』での永沢さんの名言だ。
僕はそれにあやかり3度目の『ノル森』に挑んだのだが、あえなく断念。

しかし、僕は『ノル森』を3回も読んで、いったい誰と友だちになりたかったのか。読んでるうちに忘れてしまった。
ベランダでくつろぐ鳩たちでないことだけは確かだ。

大雨が続く熊本の梅雨。
あの本荘のマンションは、今日も雨が染み上がっているのだろうか。
  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 18:30Comments(0)熊本百景

2016年04月23日

お客様へお知らせ。

お客様へお知らせ

いつも金龍堂まるぶん店をご愛顧いただき、本当にありがとうございます。

まるぶん店は、この度の熊本地震において大きな被害を受けました。
特に店舗建物の損傷が激しく、現在敷地内への立ち入りは禁止となっております。

よって当分の間、営業を休止させていただきます。
再開の時期は未定です。
決まり次第、ブログにても告知いたしますので、しばらくの間お待ちくださいませ。

まるぶんで本を買ってくださる方
ご注文や定期購読をしてくださる方
ふと、まるぶんに立ち寄ってくださる方
ふと、まるぶんのことを思い出してくださる方

ご不便やご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません。

地震発生以降、たくさんいただいたご声援と励ましのお言葉を胸に、再開を目指して全力で取り組んでまいりますので、変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

まるぶん店頭に鎮座していた店のシンボル“カッパ像”は地震の揺れに耐え、いまも健在です。
いつか必ず、皆さまの前に元気なカッパ像をお見せいたしますので、しばらくの間お待ちくださいませ!
  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 10:35Comments(2)ご挨拶

2016年03月31日

ミニマリスト本の自己矛盾。

「持たない暮らし」がブームらしい。

持ち物や部屋は必要最小限。
身の回りをスッキリとすることで、ココロが安定し豊かな暮らしができる、という飽食の現代へのアンチテーゼである。
それを実践する人々のことを『ホーム○ス』・・・
で、ではなく、『ミニマリスト』と呼ぶそうだ。
ならば僕は「お金ミニマリスト」だ。ココロはぜんぜん豊かにならないけどね。

ブーム以降、関連書が数多く発刊された。
『ぼくたちに、もうモノは必要ない』
『最小限主義。』
『ミニマリスト日和』
『必要十分生活』
『「何もない部屋」で暮らしたい』
売場に「ミニマリスト棚」をつくった書店も多いと聞く。

しかし、である。
何かがヒットすると、たちまち似たような内容の本が発行されるのが出版業界の常ではあるが、今回はイタダケナイ。
「モノは少ないほうが良い」と主張している本が次から次へと世に出るなんて、何たる自己矛盾だ。
これで返品の山ってなったら、さすがにDIOに怒られるだろう。「無駄無駄ァ」ってね。

極めつけはコレである。
ミニマリストブームの火付け役となった2015年のべストセラー、『フランス人は10着しか服を持たない』。
今年の2月、この本の続編が発行されたのには本当に驚いた。
その名も『フランス人は10着しか服を持たない2』


「いったい何着まで持っていいんだよ!?20着かよ!?」
さま~ず三村ばりのツッコみを入れたよ、オレは。
もう滅茶苦茶である。

ただ、この支離滅裂さがある意味、この業界の魅力なので(マジで)、この先もよろしくお付き合いいただけた、らと願う次第である、?  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 14:06Comments(1)出版界を思う

2016年01月27日

貴様いつまで『タンクマ』でいるつもりだ問題

「ったく、いい歳して『女子会』なんて言ってんじゃないよ!」
ってグチってる僕らがいる場所、男子更衣室。
所詮、井の中の蛙である。

いつの頃からか「女子」という言葉が
年齢と関係なく使われるようになった。
金八先生が”生涯イチ教師”だったように、
世の女性も”生涯イチ女子”なのだろう。
だって、「ココまでが女子だ」なんて境界線を
跨いだ覚えなんかないモン!

さて、タンクマである。
”生涯イチタンクマ"を選んだ”本誌がこの度、大幅にリニューアル。
姉妹誌の『mocos』のエートスを存分に吸収した
新生『タンクマ』として1/27に誕生した。



まるぶんでも「リニューアル記念フェア」開催中!

マンガ『ドラゴンボール』での悪役・セルは
人造人間17号と18号を吸収して「完全体セル」となったが、
今度の『タンクマ』はそれと似ている。

本来の形や想いを変えることなく、新たなエネルギーを吸収してさらに強くなる。
今回のリニューアルに僕は、そんな”セル魂”を強く感じてしまうのだ。
きっと社運をかけたであろうこの変革は、ウルトラハウスさん渾身の「変革なき変革」であった。

ちぇ、貴様いつまで『タンクマ』でいるつもりだよ。
最大級の賛辞としてこの言葉を贈りたい。

肝心の誌面はどう変わったのか読んでみた。

これは確かに『タンクマ』だ。
良い意味で『mocos』をいいトコ取り。

ただ、紹介しているお店や「街」にフォーカスした内容など、
ぐっと購読対象年齢が上がった印象を持った。

それで若い読者は大丈夫?

いやきっと大丈夫だ。
だって、いまや老いも若きも「女子」なんだから・・・  


Posted by 金龍堂まるぶん店 at 13:36Comments(1)出版界を思う

2016年01月22日

週刊文春完売と合コンと。

いや〜売れましたワ。
『週刊文春』1日で完売。



「雑誌冬の時代」においては快挙である。

ま、アレだけTVでガンガンやれば、広告効果は絶大だ。
ベッキー、SMAPに加えて甘利大臣と、週末の僕らの話題は文春スクープが独占状態。
なかなかヤルな、文藝春秋。

てか、この勢いは去年からだよね。
そう、ピース又吉の『火花』フィーバーから出版界は文藝春秋が牽引している。
まさに「ありがとう文春!」である。
僕のほうこそありがとう。

そのご褒美とも言えるのが例の『センテンス スプリング』である。
文藝春秋の社員の皆さんは期せずして鉄板ネタを得た。
「あなたのお勤め先は?」
「センテンス スプリング!」
って今ごろ合コンで使いまくり、ウケまくっていることだろう…
  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 22:59Comments(0)出版界を思う

2016年01月14日

芥川賞・直木賞はSMAPを食えるのか⁇

チェッ、なんだよ。

えっ、突然どうしたのって?
あれっスよ、SMAP。SMAPの例の騒動っス。
何がホントか良くわからないまま、TVらネットで様々な情報が行き交う芸能界スクランブル交差点。
あのニュースのおかげで、出版業界の一大イベントが世間からかき消されちまった。

そりゃ僕も驚いた。
本でいえば『ONE PIECE』が『少年ジャンプ』から『ヤングアニマル』に突如移籍するようなものだ。
『ヤングアニマル』といえばマンガ50%・エロ50%の青年コミックだぜ。
表紙はほぼグラビアだから子どもにゃ買えないって、そりゃねぇよ。
裏でいったい何が!?って業界大騒ぎとなるに違いない。

今回のエントリーでは書店らしく出版界の一大イベント「芥川・直木賞」にぶっこみたかった。
そう、「SMAP解散騒動」にかき消された「ベッキーの不倫騒動」にかけ消された「北朝鮮の水爆騒動」にかき消された、「第154回芥川・直木賞(1/19受賞作決定)」についてである。

前回の芥川賞受賞作品、覚えてる?さすがに覚えてるでしょ。
もし忘れるってんだったら、火花が出るほどビンタしたる。
あ、冗談です。マジでやったら、人生スクラップアンドビルドだね。

前回はお笑い芸人の芥川賞受賞ってことで、マスコミにとにかく大きく取り上げられた。
ところで皆さん、『火花』、最後まで読んだ?
っていう野暮なツッコミはさておき、まさに『火花』フィーバーだった夏の日の2015。
君は連日売れに売れ、なんと200万部を突破した。
本屋はイキナリ恋してしまったよ、夏の日の君に・・・

あれだけの騒ぎとなった直後の芥川賞だから、さぞ大きく取り上げてくれるだろう、と僕は期待していた。
が、ほとんど無視。ま、そりゃそうだよね。現実はマジで甘くない。

ところで第154回芥川賞・直木賞候補作、ギョーカイ人以外はほとんど知らないだろう。

ちなみに・・・
<芥川賞候補作>
 石田 千『家へ』▲
 上田岳弘『異郷の友人』
 加藤秀行『シェア』〇
 滝口悠生『死んでいない者』
 松波太郎『ホモサピエンスの瞬間』
 本谷有希子『異類婚姻譚』◎

<直木賞候補作>
 青山文平『つまをめとらば』▲
 梶よう子『ヨイ豊(とよ)』
 深緑野分『戦場のコックたち』
 宮下奈都『羊と鋼(はがね)の森』◎
 柚月裕子『孤狼(ころう)の血』〇
(印は僕の予想)

気になる方は今のうち(1/14現在)にチェックしておくことをオススメする。
前回みたいに受賞後に品薄・入手j困難になっても知らないゾ!

受賞作は平成28年1月19日夜、決定する。
そのころSMAPがどうなっているのかはわからないが、
本屋には間違いなくプチフィーバーが訪れる。

その夜空ノムコウが楽しみである。


  


Posted by 金龍堂まるぶん店 at 13:24Comments(0)受賞作

2016年01月11日

大河ドラマ『真田丸』第1話の感想。

小説とTVドラマの一番の違いってなんだと思う?

それは「行間」だと思う。

小説は文章なので、情景や言葉、表情などをすべて書く。
「小鳥が飛んだ」ことを表現するのに、作家によって様々な表現が使われるのが小説。
ただ、なんらかの形で「小鳥が飛んだ」ことを書かないと読者には伝わらない。
つまり極めて簡単に言うと、小説の魅力は「どんな表現で『小鳥が飛んだ』ことを読者に伝えるか」にある。

一方TVドラマには「視覚」という大きな武器がある。
ナレーションやセリフに無くても、小鳥が飛んでいるシーンさえ流せば「小鳥が飛んだ」ことが視聴者に伝わる。
問われるのは演技力と演出力。いかに視聴者を引き込む芝居や演出ができるかで、そのためには極力言葉を省かなくてはならない。
それがTVドラマにおける「行間」である。
遠足のシーンで「今日は楽しい遠足だ♪」なんてキャストにしゃべらせるようなドラマは、総じて駄作である。

さて、大河ドラマ『真田丸』第1回である。

テイストは全体的に軽めだったけど、行間をうまく使い、登場人物を表現していた。
「大河に限らず、昨今のドラマは説明台詞が多すぎる!」
「小説じゃないんだから、もっと行間で魅せてよ!」
と常日頃憤っていた僕にとって、非常に嬉しい第一話だった。
徳川家康は爪を噛み、北条氏政は味噌汁ぶっかけご飯を食べるなど三谷幸喜さんらしいキャラ設定もバッチリ。

冒頭シーンで徳川家康軍に追われる信繁が、大阪の陣では家康を追い詰める!
信繁の成長の過程がどんな「行間」で語られるのか。
去年が去年なだけに(ゴメン)、今年は日曜20時が楽しみになった。

「人生とはタメとカタルシス」
けだし、名言である。



真田丸 前編 NHK大河ドラマ・ストーリー

個人的には、
・『真田太平記』で信繁を演じた草刈昌雄が本作で父・昌幸を演じる。
・『武田信玄』で信玄の父信虎を演じた平幹二朗の子・平岳大が本作で信玄の子・武田勝頼を演じる
・『新選組!土方歳三最期の一日』で競演した山本耕史と片岡愛之助が石田光成と大谷吉継という盟友として再共演。
といった歴代大河とのリンクというオードブルですでに満腹になりそうだ。
  


Posted by 金龍堂まるぶん店 at 16:11Comments(1)ドラマ・映画の感想

2016年01月10日

電車の中でマンガを読みますか?

昔は電車の中で漫画を読んでたりしたら
周りから白い目で見られたものだ。

特に叱られたり、車掌さんに連れていかれるわけでないのだが、
とにかく視線が冷たいのだ。
別にエロ本読んでるわけじゃないのにさ。

当時はマンガに対する世間の理解が全くなかった。
「マンガなんか読むと頭が悪くなる」
「青少年に悪影響」
内容も知らずにそのような先入観でマンガは蔑まれていた。

僕もご他聞に漏れない”マンガ好き少年”だったので、
バスや電車の中ではそれがマンガだとバレないよう、
文庫や新書を読んでいる体でを心がけていた。
例えばカバーを裏返しにしたり、
フキ出しの中をブツブツつぶやいたり(そうしていると文章を読んでいるようにみえるでしょ)。

なかにはとんだツワモノもいて、いまでもハッキリ覚えているのが、
バスの中で梶原一騎原作の『空手バカ一代』を堂々と読んでいた女子高生。
見たときは正直ビビったと同時に「これでニッポンは安泰や!」となぜか誇らしくなった。



そんな昭和ニッポンも、遠すぎる過去の思い出だ。
いまやどうだろう。
マンガは大きく認知され、もはや世界に冠たる、”ジャパニーズカルチャーのエースで4番”である。
「マンガでわかる○○○」とつけばどんなジャンルの本でも売れる。
夏目漱石や太宰治、ドストエフスキーなどの文豪の名作は悉くマンガ化され、
ドラッカーやカーネギー、「7つの習慣」といったビジネスの名著までマンガ版がある。

つまり21世紀の日本の出版界はマンガに支えられているのだ。
この事実をかつて「マンガ」=害と蔑んだ方々に、
過去に戻って教えて差し上げたいものだ。

さて、冒頭の話。
それだけマンガが広く認知された現在、
バスや電車の中はマンガを読む人々で溢れているはず!!
が、そうはならなかった。

それどころか、文庫やハードカバーを読む人も、
スポーツ新聞(エロ記事があるのになぜかマンガよりも電車で読まれていた)でさえ
読んでいる人はほとんどいない。
マジ、スマホって便利やね。

メディアのパイ争いって、「お金」じゃなくて「時間」を奪い合っているんだなと
こういう光景を見るにつけいつも思い知らされる。
便利さではスマホには到底及ばないのだから、
本は本ならではの価値をもっともっと示していかねば。

なんてことをレジの中で考えていると、お客様(女子中学生)がコミックを2冊購入。
その際「電車で読みたいのでカバーをつけてもらえますか」と恥ずかしそうに言われた。

僕はそのお申し出を笑顔で快諾し、その場で一発ギャグまで披露したのはいうまでもない。  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 20:24Comments(0)出版界を思う

2016年01月09日

2016年は『ジャンプ流』に注目だ!

ジャンプ流公式サイト

前回のエントリーで『ドラゴンボール』に国民栄誉賞を!とぶっこんだ手前、この本をお勧めしないわけにはいかない。

なにせ、1冊丸ごと”鳥山明”である。



1/5新創刊のワンテーママガジン
『ジャンプ流』
週刊少年ジャンプの歴史と伝説を作った作家を毎号ひとりずつ取り上げるという前代未聞のの試み。
漫画の制作風景やインタビューを収録したDVDが付いてくる。

昨秋NHKで放送された『漫勉』のジャンプ版ともいうべき注目作である。
この際、パクリと言うのは黙っておこう。
『ジャンプ』の歴史は漫画の歴史である。
”キング・オブ・ジャパニーズカルチャー”の歴史を生で体験できるこの奇跡を、ただ喜んで受け入れたい。

今後も尾田栄一郎氏や荒木飛呂彦氏などスゴイ漫画家が次から次へと登場する『ジャンプ流』、マジで目が離せないな。


  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 22:17Comments(0)オススメ本

2016年01月07日

ドラゴンボールはまだまだ過小評価されている!

「あっ、クリリンだ」

冬休みの上通りアーケード。
歩く僕の右斜め前を通り過ぎようとする坊主頭の少年は、「亀」マークがプリントされたオレンジのTシャツを着ていた。
2016年のリアル・クリリンである。
そういや僕は子供のころ、自分のオレンジのTシャツにマジックで「亀」と自分で書いて、親にお目玉くらってたっけ。
イマドキの子どもたちも『ドラゴンボール(以下DB)』が好きなんだな。

そういえば、昨年末に行われた小学3年生のまるぶん職場体験でもだ。
子どもたちに「どんなマンガを読んでいるの?」と聞いたら、2つめくらいに『DB』が出てきたのには驚いた(1コ目は『ONE PIECE』だったかな・・・)。

主人公の「孫悟空」なんて中国伝記のパクリなのに、いまや全世界で本家より有名だ。
多くの日本の子どもは中国がパクったと思っていることだろう、他がそうだけに。

あと、ちなみに僕(42才)のデスクの下敷きも『DB』である。



コレ、何ゲにスゴくない?
マンガ『DB』の連載開始は1984年。なんといまから32年前、バブル景気前夜のニッポンチャチャチャである。
まだ平成にもなっていないあの頃の記憶が今もココに。
それからずーぅと、『DB』は僕たちのバイブルであり続け、孫悟空はずっと僕たちのヒーローである。

こんな作品が他にあるだろうか?

いや、あるよ、他にも。
『キン肉マン』や『北斗の券』だっていまだに語り継がれている名作だろう。
しかし、これらを語ることは過去を語ることであり、ノスタルジーである。
それは2000GTに乗りながらビートルズを聴くようなものだ。

『ドラえもん』とか『アンパンマン』も長く愛されているが、如何せん子どもに限られる。
それは親子で歌う『夕焼けこやけ』のようなもので、基本的には子どものモノなのだ。

『DB』は別格である。
バブルが弾けようが、ゆとり教育が始まろうが終わろうが、たとえベッキーが不倫をしようとも、わき目も振らずニッポンのサブカル・メインストリートのど真ん中にあり続ける(今も!)『DB』の存在は、我々が思うよりもっと大きな奇跡なのである。
冒頭のリアル・クリリンくんなんて、いわば現在の小学生が聖子ちゃんカットで街を歩いているようなものだ。

ハッキリ言って、教科書に載せて良いレベルだ。

これは何かに似ていると思わない?

そう、ミスターである。
サタンじゃないよ、長嶋茂雄のほう。

昭和のニッポンプロ野球を国民的娯楽に引き上げた大スター、ご存じ”ミスタープロ野球”、長嶋茂雄。監督時代を含め、長きわたって世界の中心で野球愛を叫び続けてウン十年。いまだに「困ったときのミスター頼み」とばかりに担ぎ出されるミスターは、いまだに日本プロ野球界のど真ん中。

『DB』は長嶋茂雄にに匹敵する日本文化の象徴なのだと思う。
ミスターが昭和ニッポンを作ったのなら、『DB』は平成ニッポンをつくったのだ。
いまを生きる僕たちは、もっと大きな称賛と敬意を贈らねばならない。


今回の結論。
ニッポンマンガの奇跡、”キング・オブ・ジャパニーズカルチャー”、『ドラゴンボール』。
ぜひクリリンに国民栄誉賞を与えて欲しい。その価値は十分あると思うのだが。

えっ、なぜ孫悟空じゃないのかって?
そりゃ、だって悟空はサイヤ人。
日本国民ではないからチョット・・・  


Posted by 金龍堂まるぶん店 at 16:42Comments(0)店長日誌今日のカッパさん。

2016年01月06日

『3年B組金八先生-フォースの覚醒-』

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』大ヒット上映中。
みんな、観にいった?

僕、行ってない。
だって、過去の作品をまともに見ていない。
当時は「ブームなんてしゃらくせぇ」って強がるアンチクショーだったからさ。

でもC-3POとかヨーダとかはちゃんと知っていることに驚いた。
さすが全世界を席巻する地球規模の超大作だ。
読んだことなくても『ノルウォーの森』の作者は知ってるし、
『まいにち、修造』のヤバさは認識しているこの感じである(違う?)。

僕も地球に生まれたハシクレとして、
この”スターウォーズ祭り”に乗ってみたい。
今度こそ観てみようと思った。

まっさきに新作映画館へ突っ走るのもいいが
どうせなら過去の作品を観ておこう。
と某レンタルビデオ屋に向かったら、なんと全部借りられてやんの。
そりゃぁねぇよTSU○AYAさん。僕の年末年始を返してくれ!

そこで代わりに借りたのが『金八先生』。




なぜ?
ほら、同じ連作モノの長編だし、
なんとなく世界観も似てない?
ああ、似てないね。

もうしょうがないから『金八』全シリーズ観てから
『スターウォーズ』の新作を観に映画館へ行こう。
観た後、僕にどんなフォースが身につくのか楽しみだア。  


Posted by 金龍堂まるぶん店 at 17:26Comments(0)店長日誌

2016年01月05日

「クマロク!」は昭和の純喫茶である!

NHKさまの夕方の情報番組
「クマロク!」のBOOKMAというコーナーで
月に一度、本の紹介を担当させていただいている。

クマロク!NHK熊本放送局

昨日(1/4)がその日で、
紹介したのは下の2冊。

《店長イチオシ本》

『王とサーカス』(米澤穂信・祥伝社)
2015年のミステリーランキングで軒並み1位の話題作!

《くまほん(熊本にゆかりの本)》

『ラオスにいったいなにがあるというんですか?』(村上春樹・新潮社)
昨年6月の熊本旅行記を完全収録!

しかし観るにつけ思うのは「クマロク!」と僕の不釣合い感のハンパなさである。
「クマロク!」はいまどきのニュースやワイドショーにありがちな
派手な演出や効果音もなく淡々とニュースを進めるオールドスタイル。
それは”上品”のひとことだ。
とても僕なんかでツトマる空気じゃない。まったくもって役不足、もとい力不足である。
ソワソワ落ち着きのない素振りに、たどたどしい口調。

まるで昭和の純喫茶で、スタバやセブンカフェの紙コップを持ち込んでくつろぐ男子高校生のように浮いた存在だ。

観ながらいつもTVの前で思わず突っ込んでしまう。
「コイツ誰だよ!」
ってゴメン、僕だよ。

そんな純喫茶のような「クマロク!」
常に時間に追われて、疲れきった現代人の皆様にこそ、観ていただきたい。
聴こえてくるジャズのように心地よい、くつろぎの時間を与えてくれることだろう。

そして毎月第一月曜の18:30ごろ。
気が向いた方はBOOKMAを観てね。
その際はセブンカフェを忘れずに。

  

Posted by 金龍堂まるぶん店 at 14:10Comments(0)TV・メディア紹介本